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WMで神戸ビエンナーレ2009に行ってきました。安藤忠雄設計の兵庫県立美術館から、船に乗って海上に展示されたアート作品を見ながらメリケンパーク会場へ。目的はここで行われているアート イン コンテナ国際展。長さ12mのコンテナの内部を展示空間とするアートコンペで、会社先輩の伊庭野さんと藤井さんの作品は特別賞を受賞した。
"Walk into the Light" 伊庭野大輔+藤井亮介
楕円に鏡が配置され、1つの焦点に小さな照明が散りばめられた球体がまわり、もう1つの焦点に椅子が置かれている。その椅子に座ってみると真横まで光が回り込んでくる。前へ歩いて行くと、見える光の数が減っていく。
このような説明がなくても、純粋に美しく何かを感じることができる作品。空間に入るまでのアプローチ、入口サイズ等の計画も他と比べて巧み。30点もの作品が展示されていたが、説明文を読まなくても何がやりたかったかがわかる、もしくは感じることができる作品は正直少なかった。そんな中で、建築とアートの中間的な彼らの作品は光って見えた。
フランク・O・ゲーリー設計のフィッシュダンスのカフェでハンバーガーを食した後、三ノ宮駅近くにできた「STRONG BUILDING(設計:竹中工務店)」を見に行く。
スラブが薄い。
フラットな天井と床。
最上階に事務所が1フロアだけある。屋上面の納まりが綺麗。こんなに気合いの入った駐車場は初めて見た。
安藤忠雄設計の六甲の集合住宅に寄って、新神戸から東京へ帰る。充実した1日だった。
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11/14-15で同期の仲間と熱海・伊豆へ行ってきました。
一日目。起雲閣に寄った後、旧日向邸へ。最近見学が可能になったそうだ。母屋は渡辺仁設計、庭園部分増築は清水組(現、清水建設)、庭園部分地下のインテリアデザインをブルーノ・タウト。タウトが設計した部分ではないのだけれども、海に向かって開かれた3つの部屋が少しずつクランクしながら繋がっていくプランが面白い。
旧日向邸の上に隈研吾設計の「水/ガラス」がある。いつも閉まっているシャッターが開いていたので中をのぞいていたところ、管理をしてると思われる方が出てきて中を案内しようかと言ってくださり、お言葉に甘える。ちょうどマジックアワーのときに見た水面に浮かぶ楕円ガラス張りの会議室は説明のいらない美しさがあった。ここであればどんな商談でもうまくいくかもしれない。
二日目。石山修武設計の「伊豆の長八美術館」へ。まず思っていたよりも開けた場所に建っていて驚かされる。最初は正直何が良いのかよく理解できなかったが、中と外を回っているうちに徐々に惹き付けられていった。様々な左官技術が様々な場所に散りばめられていて、そういった視点で見て行くととても勉強になる。左官だけでなく、建築的な試みも様々な場所に、というか普通の人が気づかないような裏手にまで!様々散りばめられている。ガーゴイル、コルゲードで囲まれた機械置場、エキスパンドメタルの折半階段、構造体と一体化してデザインされた雨樋。。他人には真似できない異質の領域を突っ走っている建築家であることを再認識。
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セルフビルドをしてみて気づくこと
■身体
やったことは
土を掘って運んで、砂利や敷石を運んで敷く
ただそれだけ。
ただそれだけのことがここまで大変とは。
日頃運動不足であるのもあるが、翌日は身体がボロボロ。
土は固く、重かった。
でも、身体を動かす気持ちよさを久しぶりに感じた。
■施工計画
カラダが辛いので当然、どうすれば効率的に進めれるかを考える。
無駄がないように、後戻りがないように、
搬入してもらったモノをどこに置いてもらうか、どういう手順で作業を進めるか、等々を考える。
施工計画もデザインですね。
この良し悪しが同じお金と時間でどれだけ良いものがつくれるかを明らかに左右する。
こういった施工計画に関してのスペシャリストがスーパーゼネコンということなのだろう。
超高層ビルの工事をタイトなスケジュールとコストで無事故無災害で進めることができるというにはフツウのことではない。
■設計施工一貫
今回はある意味で設計施工一貫だったわけであるが、
施工しながらいつも悪魔のささやきが聞こえた。
「この作業大変だから、こう設計変更しちゃう?」
施工性を考えた設計というのは非常に大事である。
しかし、施工性のみを優先した設計はやはり違う。
やはり、つくりたい空間ありき。
施工が大変でも、やるべきときはある。
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実測
DK床のサーモ画像。寒くなってきて床暖房を徐々に使用するようになってきたので、これからが面白いところだ。根太間の色が赤っぽくなっているライン上に蓄熱材が仕込まれている。
夜間に潜熱蓄熱材に床暖房の熱を蓄えるので、昼間は床暖房の運転を止めていても床下から放熱されて室内が安定しやすい。
床暖房の運転が止まってからが面白くて、蓄熱材が40℃近くから温度が下がっていき32℃で凍って液体から固体になる。潜熱蓄熱材は水が冷え続けて氷になる際に、0℃でしばらく温度が安定するのと同様に32℃で温度が安定しばらくする素材である。
↓bbで使っている製品とは違うけれど、こんな記事もありました。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/it/column/20091030/536514/?P=1
さらに日が出ているときには日射を室内に取り入れて床下の蓄熱材に熱を蓄えることで、床が夜まで冷えにくい。
24時間のサイクル(夜間運転と日射取得)をうまく利用することで、省エネ性と快適性の両立を狙う。
このシステムの有効性を、これから実測により検討することとなる。
床表面などにおんどとりを追加。29個のおんどとりの他に、建物に埋め込まれた100点余りのセンサーでデータを取っていく。
高瀬幸造